I am 美沙 ①

2014.06.20 21:15｜旅・場所｜

ずっとずっと、還って来たかった場所。

「いつかネイティブアメリカンの人たちと暮らす」

そんなイメージを最初に持ったのは、いつごろだろう。

艶やかな黒髪と、深い皺が刻まれた焼けた肌。
雑誌に載っているネイティブアメリカンたちを見て、
「私はこの人たちを知っている」と思った。

彼らといる方が、ずっと自然な気がした。

大学生時代、大人になったらどうやって生きていこうか考えて、
自給自足の暮らし色濃い、ミクロネシアのヤップ島で過ごしたり、
ヨーロッパ北極圏のネイティブ、サーメの人たちに会いにいったりした。

サーメの少女。素敵な子だった。元気かな。

日本から地球の反対側までいったところで
「アイヌの人たちは元気か」と聞かれ、
日本にもネイティブがいることを、
恥ずかしながらそのときやっと知る事になった。

帰国してアイヌの人たちに会いにいき、
大学卒業と同時に縄文の血を色濃く残した沖縄に引っ越した。

ずっと、ネイティブの人たちと生きていきたかった。
だけど、どこにいっても、自分はその土地の者ではなかった。

その土地にお邪魔させてもらっているビジターですらない。
私の中では、自分はテイカーでしかなかった。

その土地のエネルギーをもらうばかり。

生き方をもらうばかり。

周りはいつも親切に、よくしてくれたけど、
どこにいっても私の胸の中には、
泥棒ネコのような気分がつきまとっていた。

自然の中で暮らしたい。
ネイティブのような生き方をしたい。

だけどそれは、幻想を追いかけているようだった。

自分の足で、そこに立っていないと、強く感じた。

私は何者にもなっていなかった。

何者かになる必要があった。

沖縄に移って１年が終わる前に、
私は東京に戻っていた。

②につづく

========☆今日のはっぴ～でいず♪のコツ☆=======
自分の歩いて来た道を振り返ってみよう。
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