それは、祈り。
2010.09.27 10:39|旅・場所|

ぽとりと道ばたに落ちた花を、耳元に飾る。
花の香りと、エネルギーが、自分の体の一部になる。
こんなことが、気軽にできるハワイの気質が、大好きだ。
まだ、元気に咲いている花を頂戴する勇気はないけど、
落ちたての新鮮な花には事欠かない。
ファーマーズマーケットにいけば、
安くてフレッシュなレイが手に入る。
しばらく身につけた後は、部屋に飾っておく。
切り花と比べると、なんともはかない命だけど、
こんな、花を抱きしめるような愛で方があってもいい。
オアフのワイキキ・ビーチ・ウォークにあるマナ・ハワイは、
ハワイの伝統文化を残そうと、様々なカルチャークラスを提供してくれる。
無料のクラスも多く、私はレイメイキングのクラスにお邪魔した。
ここの素敵なところは、ショッピングセンターやホテルで催される、
客寄せの為のカルチャークラスではないところ。
オーナーさん夫婦が、本当にハワイの文化を大切にしており、
その想いは、各クラスや置いてある商品を通じて伝わってくる。
レイメイキングで用いたのは、小さな緑の花、パカラナ。
とてもいい香りがするその花は、オーナー婦人がその日庭から
取って来てくれたもの。(この作業が一番大変だとか。。。)
そこに、参加者それぞれ違う造花をはさむ。
私は白とピンクの造花をいただいた。
なぜ造花をいれるのか。それは、
1)参加者それぞれが違うタイプの花をさしこむことで、
レイの表情がとても変わることを見せたかった。
2)生の花は枯れても、造花は残る。ハワイを去った後でも、
造花を見て、レイを思い出し、自分の国にある花を使って
またレイをつくって欲しいから。
とのこと。
素敵な発想。
さて、参加者は、私を入れて7名。全員日本人。
教えてくれるオーナー婦人は、ドイツ系ハワイアンと日本人のミックス。
同じドイツ系のミックスということで、私はいっきに親近感が。
しかし、彼女は日本語を話せず、他の日本人参加者は英語を話せず、
気づいたら私が同時通訳することに(笑)
日本語脳と英語脳のスイッチの切り替えはなかなか難しく、
英語で意味が分かっても、丁度いい日本語が出て来なかったりする。
さらに、手元はせっせと動かしながらやからね・・・
出来上がったレイがジグザグなのは、そのせいということにしておこう(笑)
▼パカラナレイ。旅中大変お世話になった愛しのmacpacちゃんと。

レイを作りながら、いろんな話が聞けた。
それぞれの島にまつわる花の話。
伝統文化を大切にした女王さまの話。
ハワイの子ども達は1度は必ずレイ作りにふれること。
そしてレイは、99%誰かの為に作られるもの、ということ。
尊敬と敬意をあらわし、Alohaの心を人に渡す行為であること。
誰かのことを想いながら、花を糸に通して行く作業は、祈りにも似ている。
私にとって、織物や、料理が、この祈りである。
できることなら、自分の全ての行為が、祈りであり、芸術である、
そんな境地にいつもたてる人間になりたい。
レイも、フラも、Alohaも、
きっと、愛であり、一体感であり、祈りなのだろう。
だから私は、ハワイをはじめ、各国のネイティブの文化が好きなのだ。
悲しいことに、ホノルルでは、その文化の香りがしない。
海外のブランドショップと、喧噪と、疲れた観光客の町。
いたるところで催されているフラダンスは、ただのショーと化していて、
はりついた笑顔が痛いプロダンサー達がたくさんいる。
でも、そのショーの中でも、一般のロコ達によって催され、
したたかに伝統が生のびる姿も見える。
マナ・ハワイも、きらびやかなショッピングセンター内にありながら、
ちゃんと大切な根っこを忘れていない、希望の店だ。
とても驚いたのは、オーナー婦人が、アメリカのパスポートに加えて、
ハワイアンのIDを持っている、という話。
そういうIDがあること自体あまり公にされていはいないらしいが、
ハワイ王国の“意識“だけでなく、政治的にも力を持ち出している
ということだろうか。

願わずにはいられない。
その為に私が出来ることが何なのかは、まだはっきりと形にはなっていないけど、今回、通訳をすることになったのは、何かしらの意味を感じる。
私の口を通じて、ハワイの文化が人々に伝わって行くことは、とても心地いいものだった。
偶然起きた出来事だったけど、きっと神様がくれた、小さなヒントだったんだと思う。
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